【永久保存】マイクロベベルって?特徴&実用法、研ぎ方まで紹介‼
キャンプでの調理、ブッシュクラフトでのバトニングなど、アウトドアシーンでナイフは欠かせないツールです。ナイフ選びをしている時や研ぎ方を調べると、必ずと言っていいほど目にするのが「マイクロベベル」です。「マイクロベベル」とはいったいなんなのか、研ぎ方についてもご紹介します。
マイクロベベルって?
この投稿をInstagramで見る
ベベル(bevel)は日本語に訳すと「傾斜」という意味があります。「セカンドベベル」「セカンダリーベベル」や「糸刃(いとば)」「糸小刃(いとこば)」とも呼ばれているのが「マイクロベベル」で、大まかに説明すると刃先1㎜ほどの部分に付いている小刃(こば)の一種です。
因みに、セカンドベベルやセカンダリーベベルは日本語で小刃という意味です。目視できるかできないかの、刃先0.1㎜ほどの部分に付ける傾斜が「マイクロベベル(糸刃・糸小刃)」で、刃こぼれや方潰れを防いだり、小刃を守るためにマイクロベベルを付けることもあります。
マイクロベベルとシングルベベルの違い
この投稿をInstagramで見る
ナイフ以外にも包丁や斧の刃先をよく見るとマイクロベベルが付いているものがあり、木や骨などの硬いものでも刃を傷めにくく、刃が長持ちします。
一方シングルベベルは刃体に傾斜がなく、マイクロベベルのないナイフは刃先の「刃こぼれ・方潰れ・すり減り」しやすく、カミソリなどの切れ味を重視した刃物に用いられます。刃先の角度が大きい方が刃が丈夫になり、好みや用途によってマイクロベベルを付けたりします。
マイクロベベルの特徴
耐久力
この投稿をInstagramで見る
マイクロベベルを付けるセカンドベベルは、刃先の角度が鋭利なシングルベベルより角度が鈍くなっているのが特徴です。そのため刃の欠け(チップ)や潰れ(ロール)などのトラブルが少なく、バトニングなどの強い衝撃にも耐えることができるので刃が長持ちします。
さらにキャンプやアウトドアシーンで調理をする際、まな板を使わず石の上やテーブルの上で食材を切ると刃先が傷みやすく、魚の骨なども刃の傷みの原因になります。耐久性が求められるアウトドアには、マイクロベベルを付けるのがおすすめです。
研ぎ直しが簡単
出典:https://hinata.me/article/835801954755040028
ブレードの幅が広く作られた北欧製のナイフに多い形状の、シングルベベルのスカンジグラインドや、ブレードの直前に丸味を持たせたマチェットや斧に多い形状の、コンペックスグラインド(ハマグリ刃)のナイフは、砥石に当たる面が広く研ぐのに時間がかかり、刃を薄くしてしまうことがあります。
一方断面がくびれたホローグラインドやフラットグラインドは、マイクロベベルを付けることが多く、研ぐ面が刃先から1㎜以下なので短時間で済み、研ぎ直すのが非常に簡単です。
マイクロベベルの実用法
この投稿をInstagramで見る
キャンプやバーベキューなど、アウトドアシーンでは火起こしをする機会が多く、ブッシュクラフトで用いられる着火剤代わりのフェザースティックを、現地の拾った木で作る方も多いと思います。
マイクロベベルの付いたナイフは、硬い木でも刃が欠けたり潰れる心配がなく、どんな木でもフェザースティックが作れるので実用性が高くなります。
主にどんなナイフで使えるの?
ホローグラインド
この投稿をInstagramで見る
ブレードの側面は凹み、断面を見るとくびれがあるグラインドをしています。ミリタリーナイフやサバイバルナイフにもホローグラインドを採用していることが多く、くびれた形状は木に打ち込んだ時に接触面が少なく、キャンプやブッシュクラフトで使う人が多いグラインド形状のナイフです。
フラットグラインド
この投稿をInstagramで見る
ブレードの側面が平らに加工されたグラインド形状で、先端の1㎜程に刃が付けられています。厚みがあるものから薄いものまであり、薄い軽量のものはマルチツールや折り畳みナイフなどに用いられ、やアウトドアでの野外調理に向いていたナイフです。獣狩りなどで使われるスキナーナイフにも採用され、厚みがあるものは頑丈で耐久性があります。
研ぎ方
研ぐタイミング
この投稿をInstagramで見る
切れ味が悪いとブレード部分が摩擦によってすり減り、摩耗することで切れなくなったナイフ大変危険です。さらに、切れ味が悪いまま使い続けると無理な力を加えたり、刃こぼれが酷くなったり最悪の場合刃にヒビが入ってしまうなどの悪循環になります。
アウトドアでは着火剤になるフェザースティックを作ったり、薪を割るバトニングや丈夫な縄を切ったり、硬いものにナイフを使用することが多くなります。木を削って切れ味が悪かったりロープが切れにくくなったり、使う時に違和感を感じたら切れ味をチェックしておきましょう。
準備するもの
この投稿をInstagramで見る
- ナイフ
- 砥石
- 水
- バケツ
- タオル
- コーディング剤(錆止め剤)
手順
この投稿をInstagramで見る
- 一般的な砥石は水を使う水砥石で、バケツに水を溜め10~30分砥石を浸しておく必要があります。油砥石であれば灯油やCRCなどをよく染み込ませましょう。
- ナイフを研ぐ際に最も重要なのが、砥石と刃の接触角度です。砥石に対してナイフを斜め45度に向け、マイクロベベルが砥石にしっかり当たっているか確認してナイフの先端から研いでいきます。
- 一定角度で15回程度往復させ綺麗に研げていれば細かなバリが出てきます。ステンレスだと少し時間がかかりますが、バリを取るために反対側も同じ要領で研ぎましょう。
-
上手く研げていれば厚い刃の斧でも野菜や紙が切れ、しっかり研いだ後は切れ味を確認しましょう。ステンレスの場合はそのままタオルで水気を取って完了です。炭素銅のナイフはしっかり水気を拭き取り、コーティング剤などで防錆をしましょう。
まとめ
この投稿をInstagramで見る
シングルベベルのチップやロールと言われる刃こぼれや方潰れが気になる場合、マイクロベベルを付けると刃が長持ちして、アウトドアにも最適なナイフにすることができます。一部では切れ味が悪くなると毛嫌いする方もいますが、ご紹介した研ぎ方に慣れれば切れ味が悪くなることはありませんので、頑張ってマスターできるようにしましょう。